第4回 夜勤におやつが欠かせない、お菓子が大好きな働き者の介護士さん
夕方、近くのスーパーに寄って、焼きそばやお好み焼きと100%オレンジジュースを買い、イートインで食べてから出勤する。ついでに夜勤で食べるおにぎり2個と飲むヨーグルトとお菓子を買う。それと脱水を起こすといけないからスポーツドリンクも一緒にね。夜勤の時はお腹が空くから、焼き菓子やチョコ・飴を1個ずつちょこちょこ食べる。夜勤明けで帰宅したら、肉好きの私のために母が作ってくれた食事を食べる。体力がなくなるといけないし一番ゆっくりできる時間だから、おかずはしっかり食べて、お腹いっぱいで寝る。
(40歳女性、夜勤ありの介護士)
この食事、こんな風にしたらいかがでしょう
夜勤直前の食事は、普通の方の朝食に該当しますので、手軽に早く食べられるものを選ぶことが多くなります。
焼きそばもお好み焼きも主食なので、どちらか1つを選びましょう。1つにすることで約500kcal減らすことができます。どちらかと言えば、焼きそばよりお好み焼きの方が野菜がたくさん入っていますので良いでしょう。スーパーの商品は包装に栄養表示の記載がありますので、1食500kcal以内に納まるように購入しましょう。
飲み物は100%オレンジジュース500mLをお茶に替えるだけで約200kcal減らすことができます。どうしても飲みたい場合には、濃縮還元ではなくストレートを選び200mLに減らしましょう。
夜勤中の食事は、普通の方の昼食に当たりますが、決めた時間にきちんと食事が摂れない環境から、食事なのかおやつなのかわからない状況で、ちょこちょこダラダラと食べがちです。また1回の食べる量が少ないためにあまり食べていない錯覚にも陥ります。このような場合には、夜勤中の飲食をすべて書き出すか写真に撮って、一度しっかり見直します。
間食をやめるだけで200〜300kcal減らせるケースもありますので、夜勤中の間食はきっぱりやめる覚悟をしましょう。そのためには、食事時間を夜勤直前から6時間後に決めます(おそらく0〜1時くらい)。おにぎり2個より、満足感が得られる焼き魚弁当や幕ノ内弁当にし、ご飯を半分残して100kcal削ります。
スポーツドリンクが必要であれば糖分の入っていないものを選ぶか、無糖のお茶やコーヒーにしましょう。お菓子や飲み物でダラダラと持続的に糖を摂ると常時血糖値が下がらなくなり、脂肪の燃焼を妨げます。また常に糖を摂り続けることでインスリン分泌が増し、インスリンが脂肪を合成させます。食事から食事の間を4時間以上空けることが重要なポイントです。
夜勤明けは、普通の方の夕食に当たり、主食量とカロリーの摂り過ぎには要注意です。余ったカロリーは寝ている間に中性脂肪へと合成されます。
また、蛋白質を十分に摂る必要はありますが、たとえ蛋白質であったとしても過剰摂取は体重に反映し、減量できない原因に繋がります。
このメニューは、労働後にしっかり栄養補給をさせたいという意図で、蛋白質源である肉とビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む野菜ときのこが豊富で、一見、栄養バランスの良いおかずですが、卵と豚バラ肉と鶏モモ肉で、40代女性に必要な蛋白質量が2倍以上となっています。この余分なカロリーはすべて体重になります。豚バラ肉をロース肉に替え、鶏モモ肉は明日にしましょう。炒め物は油を使わず、肉から炒め、肉の脂で野菜を炒めます。肉の脂が多い場合には、ペーパータオルに吸わせて除きます。
また丼物のご飯は100gとし、野菜をたっぷり使った具を乗せてボリュームを増やします。すぐに寝たいのであれば、生姜の効いた野菜たっぷりの雑炊(ご飯100g)がお勧めです。低カロリーで体も温まり、ぐっすり眠れます。
- 監修
- 名古屋経済大学 人間生活科学部准教授 早川 麻理子
かろやかサークル 富士フイルム富山化学株式会社