肥満症の改善を目指して

かろやかアクティビティ

第2回 まずは日常生活の活動レベルを上げることから

「忙しくて運動する時間なんてない!」というあなたへ

日常の中で、生活活動のレベルを上げることは、実は、数十分間行う意識的な運動に引けを取らない大きなエネルギー消費につながります。朝の通勤時、会社での仕事中、外出時、帰宅時などで、まずは、できるだけ座っている時間を少なくすることを目指しましょう。日常生活で、こまごま動いて座っている時間を少なくすることで、消費エネルギーの増加が期待されます。

提案1 通勤時間の活用

通勤時の身体活動はきわめて重要です!

  1. 大きな駅の乗り換えを嫌がらずに、運動の良い機会と考える。
  2. 駅の階段等では、運動量を増やせないか考えて行動する。
  3. 不自然にならない形で、おりる駅やバス停、通勤経路を工夫し、運動量を増やす。

提案2 仕事時間の歩数を増やす

仕事中に座っている時間は日本人が世界一です!
仕事時間は長いので、仕事中の歩数が1日のエネルギー消費量を大きく決めます。
座っている時間を減らしましょう!

  1. 座りっぱなしでなく、オフィスでこまめに動く。
  2. エレベータを使わずに、できるだけ階段を使う。
  3. 打ち合わせは、内線電話を使わず、歩いて行って相手と話す。『ノーメールデー』を設けてみる。
  4. コピーは人に頼まず、自分で歩いて行ってとる。

運動は、人からやれと言われてやるよりも、また健康のためにというよりも、運動をすること自体が楽しいと思えることが理想です。まずはウォーキングなど無理のない範囲で体のコンディショニングを図り、体ができてきたら自分のやりたい運動に取り組んでいただきたいと思います。そして、ぜひ並行して身体活動レベルの高い日常生活を続けてください。

生活に運動を取り入れると、人生にはりあいがでてきます。そして、それによって徐々に自分の体が変わっていくことを実感するとさらに運動が楽しくなっていくものと思います。
一人でも多くの方に、体を動かすことの楽しさを分かっていただきたいと期待しています。

監修
慶應義塾大学 スポーツ医学研究センター 所長/教授 勝川 史憲